2009年11月9日月曜日

トランジスタの規格

トランジスタ回路の基本設計法

ICが全盛の時代ですが、トランジスタもちょっとしたドライブなど使われる
場合もまだ多く残っています。 われわれアマチュア工作でも簡単な回路
で増幅やドライブ回路が構成できるので、まだまだ現役で使うことが多く
あります。
ここでは、難しい論理的な話は抜きにして、動作させるために必要なことを
説明します。


【トランジスタの規格】

規格表の見方は別ページにありますのでそちらを参考にして頂くとして、
規格で大切なポイントは下記4点となります。

(1) 何ボルトまで使えるか
  コレクタ・エミッタ間最大定格電圧(Vceo)で見ます。
  実際には、これの1/2以下の電圧で使うようにします。
(2)何アンペアまで流せるか
  これは2つの観点から考えます。
  まず コレクタ最大定格電流(Ic) は絶対超えられない値です。
  これも実際の使用では。1/2以下で使います。
  もう一つは、最大全損失(Pt)で何ワットまで使えるかということです。
  これの考え方は、 使う電圧×流す電流 で考え、やはり1/2以下で
  使うようにします。
  しかし、この全損失は放熱板の有無と、周囲温度で極端に変わるので、
  グラフで確認して使います。
(3)何倍の増幅が出来るか
  直流電流増幅率(hfe)で単純に入力電流が何倍になって出力されるかが
  分かりますが、非常にMinとMaxの差が大きいので、Minで考えて
  おく必要があります。
(4)どれくらいの周波数まで増幅できるか
  これには、利得帯域幅積(ft)で判定しますが、その判定は、下記のように
  します。
    使用可能な周波数 = 利得帯域幅積(ft) ÷ 直流電流増幅率(hfe)