2008年2月7日木曜日

ベイズ統計理論とPush型情報提供

ディスプレイを眺めていて、コンピュータとのインタフェースについて考え込むことがしばしばあります。

見るために人がアクションする(Pull型)
見たくなくてもコンピュータが見せようと動く(Push型)

このPush型/Pull型という区別はかつて有名になったことがあります。元来はPull型が支配的であったコンピュータの世界に、テレビのようなPush型が加わってきたときに、「これは今までのコンピュータの概念とチト違うぞぉ」ってことで、話題になったと記憶しています。

①見たい情報は何かを人が考えて、アクションして取り出す

②見せたい情報は何かをコンピュータが考えて、画面に表示する

ところが②はうっとうしい場合が多々あります。これは当たり前ですねぇ。
「今は画面の別のところに意識が集中しているのだから、気を散らさないで!」
てなこと。しかし、「メールが届いたら教えてくれぇ」とコンピュータに指示しておいたくせに、教えられた時と場合により、うっとうしい、と感じるわけで、なんともしがたい。

やはり、人の指示に従うだけではなく、「時と場合をコンピュータが理解する、アクションを変える」ことが出来たら良いのでしょう。人の状況をコンピュータが理解できるかどうか。

"ベイズ統計理論"の出番なのかもしれません。

「明日死ぬ確率というのは、これから起こる現象の確からしさを表すものだが、確率は将来の予測ばかりに利用されるとは限らない。...既に起こった現象が特定の原因によってもたらされた確率というものもある。ベイズ Bayes,T.という統計学者は、この原因の確率を『ベイズの定理(Bayes' theorem)』として定式化した。」

とある通り、現象から原因の尤度(もっと(尤)もらしさ)を求めてしまう考え方だとさ。

Bなる現象が確認された場合、過去がAであった確率を P(A|B)
過去がAであったならばBの現象が起こる確率を P(B|A)
過去がAであった確率 P(A)
現在、Bが確認される確率 P(B)

このとき、P(A|B) は、
P(A|B) ∝ P(B|A)
P(A|B) ∝ P(A)
P(A|B) ∝ 1/P(B)
となるそうなぁ(これベイズの定理ね)。例えば、

A:インフルエンザに罹った
B:高熱が出ている

では、
P(A|B):高熱が出ているのだからインフルエンザに罹っていた。現在の高熱の原因はインフルエンザである確率
P(B|A):インフルエンザに罹ると高熱がでる確率(医学的に確率は求まるけれど個体差がある)
P(A):インフルエンザであった確率(インフルエンザ流行の度合いで確率は求まるけれども、最近インフルエンザの人と接触があった場合など個人差がある)
P(B):現在高熱が出ている確率(なぞの伝染病が高熱を伴って流行していると高熱出している人は沢山いる)
となるけど、それぞれの確率は主観的に決めてしまいましょってことぉ。

カッコ内を考察すると、現在の高熱の原因がインフルエンザである確率は、
昔インフルエンザに罹った経験があり、高熱を伴ったので、P(B|A)は高い
最近インフルエンザの流行は少ないが、インフルエンザに罹った友達がいるからP(A)は高い
昨日風呂上りに裸で眠ってしまい、寒くて目が覚めた。P(B)は高い

その他の例題と解説に感染者問題などが詳しく説明されてます。

主観的確率に従って「今の操作者の時と場合」を判断することはできないものでしょうか?
P(暇そう) P(忙しそう)
それぞれの主観的確率をはじき出して、アクションを変える。なんだかできそうな・できなさそうな。

0 件のコメント: